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2013年9月

2013年9月28日 (土)

香り高い挽きぐるみ 奈良県奈良市は「鴟尾」

私にとってお蕎麦屋さんは当然お蕎麦を楽しむ場所なのだが。。プラス酒・酒肴が有れば尚良い (;^^)ヘ..。
ただ車の場合はそうもいかず、こんな時に助かるのはノンアルコールビール。
酔わないなら飲まずとも良いではないか、そう言われそうだがたまに気分を変えるのである。
というか紛らわすという方が正解かも知れない。

近鉄富雄駅からすぐの所に鴟尾というお店がある。
手入れの行き届いた庭が印象的な自宅を改装したお店で、開店からまだ数年しか経っていないお蕎麦屋さんなのだ。

以前も食べた出汁巻きとノンアルB
そして今回初めての十割(江戸蕎麦)をお願いしたのですが、十割は受注生産 (^0^) で時間がかかるとのこと。
でもお願いしました。(^^)
十割に拘る訳ではないのですが、打ち立てですよ。う・ち・た・て!!
ドゥ、サラザンで「お・も・て・な・し」

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まず出汁巻きとノンアルB!が出されたのだが、んっ、出汁巻きの断面に変化を発見!!
以前は重ね焼きの年輪に隙間が多く出来ていたはず ( ^^)
(でも仕上がりはフワッでしたが)。

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こっ、これは断面が密で均一になっていて、重ね焼きの年輪が見当たらないのだ。
箸を入れるとジュンワリ、口に入れるとジュワーッとしみ出すお出汁。
おぬし、かなり腕を上げたな!!

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そしてノンアルBで食べ終えた頃に出されたお蕎麦。
・・・えっ、なんて素敵なお蕎麦なんだ ^^;
見るからに香り立つ挽きぐるみの姿。よく見ると細かい赤黒の星が散りばめられ、艶やかで滑らかな蕎麦肌は眺めているだけで満足しそうになる。
おっと、これで満足してはいけないのだ。

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ゆっくりと深呼吸して啜り込めばフンワーーと鼻に抜ける香り、そして挽きぐるみ独特の噎せるような香ばしさが押し寄せる。
こうなればもうお箸が止まらない。ふと気付くと最後の一本、一切れまで無くなっていたのでした。
何という幸福な、そして口福な時間なんだろう。

この店にはもう一つ、田舎というお蕎麦が存在するのだが、抜き実ですらこれなら田舎となれば思わず万歳三唱をしてしまうかも知れない。

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ここで忘れられそうになっていた汁、一舐めすると昆布の旨味が深い所で主張するもの。
高揚した気持ちを落ち着かせるようにゆっくりと蕎麦湯を飲み終えたのでした。

そば処 鴟尾

お店は→奈良県奈良市富雄北2-4-30
電話は→0742-46-9384
営業は→11:00~14:30(14:00LO) 17:00~20:30(21:30LO)
お休み→水曜日 火曜日の夜
駐車場→1台
最寄り駅→近鉄富雄駅徒歩約2分

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2013年9月25日 (水)

奈良市最北端の田舎屋で田舎蕎麦 奈良市広岡町は「手打ちそば文月」

文月(ふみづき)。
旧暦の七月を表す文月のいわれは、七夕稲穂が実り出すなど諸説有るのですが・・
私は七夕のロマンチックな説が好きです。

1__2 2013年3月にオープンしたお蕎麦屋さんで、すぐお隣は京都府相楽郡笠置町。
JR笠置駅からそう遠くない長閑な場所にあります。
広岡町バス停から坂道を上れば現れるお店。

蕎麦仲間のO氏と訪れた文月は高台に位置し、庭先からは山間に佇む笠置の町並みを眺望出来ます。

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古民家を改装した店内はスッキリと落ち着いた雰囲気を醸しだし、フクロウの置物が多数飾られているのが印象的。
幸せをもたらせてくれるそうですからね。

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フクロウを題材として創作している作家さんの作品。

4__2 メニュー構成はいたってシンプルで、盛り・おろし単品とそれぞれにトロロご飯セットが有り、温蕎麦はすだちそばと鶏そば(いわゆる鶏せいろ)。
加えて手作りデザート類も有ります。

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文月お初蕎麦は鶏そばとしました。
細打ちの田舎は手繰り揚げるとしなやかで、黒ポチ混ざる素朴な出で立ち。

5_up

啜り込めば程良いコシに挽きぐるみの風味が広がるお蕎麦なのです。
田舎好きの私、奥様にお話を伺うと「私も田舎が好きで、お店を出す時オーナーにこれを押しました」との事 (^^)

6_ 添えられた薬味はおろしと白ネギにすだち。
すだちを搾れば少し濃い目のコク有る汁にホンノリと爽やかさを加えます。
鶏肉も柔らかい仕上がり。

食後のデザートはメニューで気になったプリン

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美味しいです。思った以上に美味しい。
口に入れ舌の上で転がせば控えめの甘さが解れ、喉越しの頃にビターな後味が顔を覗かせる。
ミントが添えられたクリームを載せると大人プリンの出来上がり8_

まだまだ発展系のお蕎麦だと思いますが、結構気に入ってしまいました (;^^)ヘ..

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山間の古民家でホッコリ・ゆったり・・・
これでこの日の幸せ終了です。

手打ち蕎麦 文月(ふみつき)

Photo

お店は→奈良県奈良市広岡町191
電話は→075-631-4711
営業は→11:30~15:00
お休み→月曜・木曜日
駐車場→道端(何せ長閑な場所ですから)
最寄り駅→JR関西本線笠置駅約1.2km

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2013年9月22日 (日)

とても素敵な女性と遭遇 奈良は明日香村「山帰来」

彼岸花が咲き誇るある日、久し振りに明日香村へ。

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2_ お昼は明日香村の山帰来でお蕎麦。

この日予約が有るとのことで、先客女性の隣に席を頂き天ざるをお願いしました。
その女性が思いもよらずドキッとする程素敵な人やったんよ。

いえ、風体では無くお蕎麦の食べ方が素敵。
頂きますと手を合わせ・・半分位を汁に浸けて、おもむろにズズッと勢いよく啜り上げる。

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さて私、出されたお蕎麦は相変わらずの極細打ち。

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隣席ではお蕎麦の合間に桜エビ?の掻き揚げを噛む音。サクッ、ズッ、ズズッでサクッ。
それがとってもリズミカル!!

5_ かつてこれ程お蕎麦を素敵に食べる女性を見たことが無い!!
まさに惚れ惚れするほどの蕎麦美人なんよ。
蕎麦湯を飲み終えご馳走様とまた手を合わす。
もし、もし、許してもらえるのなら、正面からずっとその姿を見たかった (^0^)

先に席を立ったその方の後ろ姿に・・すみません、お蕎麦が大好きなのですね!。
思わずそう声を掛けそうになりました。

何故か嬉しい気分で私も席を立ったのです。

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山帰来

お店は→奈良県高市郡明日香村飛鳥66-1
電話は→0744-54-3218
営業は→11:30~14:30売り切れ次第
お休み→月・火・水曜
駐車場→5台程度
最寄り駅→飛鳥大仏前バス停すぐ東

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2013年9月18日 (水)

移転後半年 奈良県は葛城市神鴨 「そば小舎」

移転後二度目の訪問となりました。
午後二時というかなり遅めの来店は御主人達の昼食を中断させてしまったんよ。

まだまだ暑さが残るこの日、大和高田でも頂いた事のあるおろし蕎麦をお願いです。
読みかけの本に目を落としていると男性二人が来店し、店内外をあちこち観察してるんよ。
そして「お蕎麦の写真を撮るのでお騒がせして申し訳ありません」と声掛けされました。

どうぞどうぞ
何やらタウン情報誌の取材みたいなんよね。

Photo

挽きぐるみ田舎は黒ポチ一杯の色黒で、お蕎麦だけを手繰り上げれば程良いコシが歯触り良く噛むほどに味が出る。
大根おろしは心地よい辛味がこの時期にピッタリ。
刻み海苔が甘味を添え舌に広がるんよ。

Up

食べ終える頃からカメラのセッティングが始まります。
蕎麦湯を飲みながら眺める風景は・・小物の配置やお蕎麦の角度などに気配り。
何度もシャッターを押して色具合やアングルを確かめる姿はさすがカメラマン。
思いつきで撮す私の写真など恥ずかしい次第なんよ。

Photo_2

御主人への取材で漏れ聞こえる話では、何やら鴨をメニューに追加するような発言。
近所に合鴨を飼育されているお宅があるらしい。
そう言えば高天の彦神社前にある田圃では合鴨が泳いでたんよね。

そば小舎でも近々鴨せいろが出るのかも知れません。

鴨神蕎麦 そば小舎

Photo_3 お店は→奈良県御所市鴨神1126
         葛城の道歴史文化館内
電話は→0745-66-1159
営業は→10:00~16:00(売り切れ終了)
お休み→月曜日
駐車場→有り

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2013年9月15日 (日)

小さな町歩き 路地裏探検隊 谷根千その2

その1に引き続いての谷根千歩き。
今回、モノトーン写真でご紹介します。

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言問通りから台東区と文京区の境界筋を進むと、谷中銀座へと続へびが現れる。

名の通り蛇行する愛染川を埋め立てて作られた道路なのだ。

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根津と谷中の境目をクネクネと横たわるこの道には比較的新しい町並みが続き、、

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結構モダンな風景もある。

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そうかと思えばこんなお店も。

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根津神社そばにあるS坂という名は、森鴎外の小説「青年」から付いたそうだ。

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こんな路地がありました。。
あれっ、行き止まり?、いえいえちゃんと通り抜けることが出来ます ( ^^)

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谷中には大名時計博物館という私設博物館が有り、江戸時代に作られた大名時計のコレクションが揃う。

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残念ながら改装中でした。

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路地稲荷というか・・道の幅に合わせた鳥居が何ともユニーク。
稲荷社なので一応正一位とある。。。

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こんなしもた屋も少なくなっていくのでしょう。

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やはりした町には猫が付き物なのです。
色んな猫グッズなどもあるそうです。

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谷根千からもスカイツリーが見えました。

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続く・・

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2013年9月13日 (金)

谷根千ランチ 東京は文京区根津「聞蕎麦処 三里」

前回見つけてたお店「三里」。
根津神社北口から不忍通りを挟んだへび道の南端にある、カウンターだけの小ぢんまりとしたお蕎麦屋さん。
朝蕎麦の鷹匠からは目と鼻の先なのです。

このうだる暑さに、、やっぱりビール!!
お供には鴨の陶板焼!・・って、こんなん初めてやわ。

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陶板焼は御主人が火を付け、ピピッとタイマーが鳴ると蓋を開けてくれます。
風除けに立てられた小さな屏風も一興。
ホワッと広がる湯気と共に現れた鴨肉、こんなんもエエかも知れません。

P1050009

カウンターは会話のきっかけを見つけやすい。
そこに御主人が立ってるんやからね。
鴨を頂く合間に御主人のお話を伺えば、お店を始めて11年程やそうですが・・徐々に下町風情が少なくなったみたい。

P1050010

さて、抜き身挽きぐるみの蕎麦は、適度な空隙を作りながらせいろ一面に盛られてます。
一手繰りすると穏やかに広がる挽きぐるみの香り。
田舎好きの私にはチョット物足りなさを感じるも・・それでいて美味しく頂けるお蕎麦でした。
(玄蕎麦挽きぐるみとは相反する物ですからね )

軽やかな汁はキリッと辛味の主張を忘れず、何方にも美味しく頂ける物でした。

そして蕎麦湯を頂きながらの一時、「和歌山はお蕎麦自身を味わえるお店が少ないんよね」、、
「そうですか、関西とくればうどんでしょうからね」

色々とお話を伺いお店を後にしました。
東京はこんなお店があちこちに有る。

聞蕎麦処 三里

お店は→東京都文京区根津2-33-9
電話は→03-5814-1810
営業は→12:00~2:00(昼) 5:00~10:00(夜)
お休み→水曜日
最寄り駅→地下鉄千代田線 千駄木・根津駅

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2013年9月 8日 (日)

小さな町歩き 路地裏探検隊 谷根千その1

台東区と文京区、それに荒川区が接する場所。
谷中・根津・千駄木の頭文字を取り谷根千(やねせん)と呼ばれる地域なのだ。
武蔵野台地東端のこの地域は、東西に高台が迫る谷間地形であり、細い路地が入り組む昔ながらの下町風情が残る場所が多い。

台地に挟まれた地形から坂が多く、また寛永寺を中心に広がる寺と墓。
昔、さだまさしが長崎は坂・墓・馬鹿が多いと言っていたのを思い出す。
馬鹿は別として谷中界隈にも坂と墓が多い。
今回は西日暮里駅から上野を歩きます。

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荒川区の西日暮里駅から「まのさか」を上ると富士見坂が現れる。
晴れた日には富士山が見えるのでこう名付けられました。
で、この日私が見た富士山は・・

2__2

・・・これは世界遺産ではありません (;^^)ヘ..
でもビル建設で本当に富士山が見えなくなるそうです。

3_ 日暮里駅に程近い経王寺の山門には、なんと慶応4年の上野戦争の時に被弾した弾痕が今も残ります。
さてここからは台東区。
夕焼けだんだんを下った所に有る商店街は有名な谷中銀座

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日本各地にある銀座、ここは地元はもとより観光などで幅広い年齢層の客が訪れる商店街。
夕焼けだんだんは、ここから見る夕焼けが素敵なので付けられた名前らしいのですが・・
でも何とも微笑ましい名前では無いでしょうか。

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通りを東に入ると現れる初音小路も素敵な路地で、居酒屋さんなどが肩を寄せ合う飲み屋小路。

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こんな路地を発見するのも谷根千歩きの楽しさ。

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時代と共に変貌を遂げる路地裏。

それでもそこに住む人達の生活の音色は残っていくのでしょうね。

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ここは平成4年のまちかど賞受賞。
新旧の瓦塀が織りなすコントラストがとても面白く、思わず奥まで入ってしまいました。

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横道へ、横道へ逸れていくと現れた猫町カフェ。

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ドアを開けると5匹の猫が迎えてくれました。

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あくまでも自分流を押し通す気まま振り。

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マスターは故郷熊本に帰ってゆっくり猫達を労うと言っていました。なので今はこのお店は有りません。が、確か他にも猫カフェがあるようです。

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この辺りまで来ると新旧入り交じる家並みが多くなり、昭和から平成への変遷を眺めることが出来ます。

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18__2 さあ、いよいよ上野公園の領域へ突入。
精養軒前を通りすぎると目前に広がる不忍池

朝咲いていた蓮の花はもう閉じていました。

直線距離で僅か3km足らずの道のりは、路地をウロウロすると倍以上にはなると思います。
次回は根津を交えて歩きます。

続く

18__3

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2013年9月 1日 (日)

土日限定十割 奈良は生駒市「吟」

どうしてこうも限定という二文字に弱いのだろうか。
それに新メニューという言葉にもワクワクしてしまうのだ。
こんな方が私以外にも沢山いると思う。いやそう思いたい (;^^)ヘ..

1_

この日久し振りに吟を訪れてみました。
以前ここで頂いた常陸夏蕎麦というのが秀逸で、得もいえぬ香りと広がる甘味が鮮烈でした。

2_

「本日は福井のお蕎麦です」そう言われながら座ると目に飛び込んできたお品書き。
イベリコ豚のつけ蕎麦という文字。
しかも新メニューと書かれているではないですか。
極めつけは「土日限定で十割も出来ます」・・限定。。
「イベリコ豚のつけ蕎麦を十割に出来ますか?」
「はい、+400円で  (^^)」
ということで初のイベリコ豚つけ蕎麦十割に決定 (^0^)

3_

さて、黒ポチが散りばめられた平打ち加減のお蕎麦は、皿・ざる・簀の子の三段重ねにこんもりまーるく鎮座します。
薄い灰褐色の蕎麦肌とは裏腹に、以外と密やかに香る福井産のお蕎麦。
一手繰りすればフンワリとした蕎麦の味が舌に広がり、うっすらと穀物の芳香が鼻に届く繊細さ。

4_

鴨汁、いえ豚なので豚汁ですか ( ^.^)( -.-)( _ _)
黒七味で整えてあるのか柚の香りと相まってイベリコ豚の甘味に絡みつくのです。
水菜と青梗菜が入っているのは新鮮でした。

5_

こちらには鴨せいろもあるけど、残念ながら冬季限定。
この限定は頂けませんが (;^^)ヘ..

7_

白濁サラッと系の蕎麦湯を頂きお店を後にしました。

そば庵 吟

お店は→奈良県生駒市真弓1-3-16
電話は→0743-79-0713
営業は→11:00~14:00 17:00~20:00(19:30LO)
お休み→火曜夜 水曜日
駐車場→有り
最寄り駅→近鉄学研北生駒徒歩3分

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