小さな町歩き 三重県は亀山市関町散歩
~坂は照る照る 峠は曇る あいの土山雨が降る~
鈴鹿越えを控えた旅人が英気を養ったであろう関宿は、東海道五十三次の四十七番目宿駅。
東西約1.8kmの道沿いには古い町並みが建ち並び、江戸時代にタイムスリップしたような感覚になる。
また関宿は交通の要衝でも有り、東山道「不破(ふわ)の関」、北陸道「愛発(あらち)の関」と並び古代三関所の一つでもある。
まだ寒さが残る頃、関町を歩きました。
旧東海道では往時の姿をこれほど残す宿場町は無く、昭和59年に国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)の指定を受けました。
これは関町の南外れに国道1号が整備され、宿場町の風情が残されたからです。
家々の軒先には菜の花が飾られ、この時期ならではのおもてなし。
その昔、関には三軒の有名な旅籠があり、多くの旅人で賑わっていたようです。
玉屋・会津屋・鶴屋。
現在、玉屋は歴史資料館として当時の旅籠の姿を再現していました。
会津屋は食事処としておこわや宿場蕎麦を供し、鶴屋は静かに旅人を迎えるだけとなっています。
玉屋におお邪魔してみました。
印象的な火炎模様は、当時使われた食器にもあしらわれています。
昔の階段はとても急で、上るのすら一苦労。
敷地奥にある蔵では安藤(歌川)広重の版画も展示。
その向かいには銘菓「関の戸」を販売する深川屋が有ります。
創業370余年のこちらでは餡を求肥で包み、和三盆をまぶした関の戸は上品な甘味が特筆。
足袋屋さんやレトロな薬局があったり、チョットモダンな湯屋の姿があったり、散髪屋さんのサインポールも控え目で可愛い。
関に因んだ言葉に「関の山」があります。
もうこれで精一杯という意味はご存じでしょう。
これは関のお祭りで狭い街道を山車が巡行する時、軒先一杯一杯で何とか通れるという事から生まれました。
関宿は東の追分から西の追分まで上り坂。
いよいよ鈴鹿を超えるという気構えが高まります。
家並みの所々には漆喰彫刻というのが有り、職人の遊び心を感じる光景。
屋根の上に展望台を設えた施設も有り、街道を見下ろすことも出来ます。
お昼ごはんは何軒か店も有るのですが、老夫婦が営む「山石」はボリュームある洋食や喫茶を楽しめる。
街道から少しはずれますが、もちろんお蕎麦屋さんも。
会津屋から西の追分を目指すとこんなお洒落なカフェなど有ったりして。
古い町にほんの少しだけ新しい家も混在し、平成の旅人を迎えてくれるのです。
三重県亀山市関町
関宿→観光協会
最寄りIC→名阪国道関IC
最寄り駅→JR関西本線関駅
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