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2014年6月

2014年6月29日 (日)

仁王門綾に近付きつつ 奈良は葛城市當麻町「薬庵」

金剛山地の北部、二上山の山麓にある当麻寺、ここは日本で唯一東塔と西東が残る寺院。

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また、長谷寺と並び牡丹の花や中将姫伝説でも知られている。

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院内末寺でも素敵な風景を見ることが出来るのだ。

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牡丹の花が残る頃、当麻寺門前に有る蕎麦屋「薬庵」に訪れました。

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入口に出された札には本日のお蕎麦が表示されています。
午後2時前という遅めの訪問はさすがにお客さんの姿も薄れ、ゆったりとした時間を過ごすことが出来るのです。

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しかしせいろは売り切れとのことで田舎をお願いしました。

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「仁王門綾」から受け継がれたお蕎麦は、思わず「あなたは素麺?」・・
そう突っ込みたくなるほど極細の上に"超"が付く細打ちで、しかも水切りの具合が丁度良い。

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丸いせいろにキュッと押し盛られたお蕎麦は、お箸で解きほぐすと意外にボリューミーなのです。

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こんなにスレンダーなのに素朴でゴツゴツ感が有って、黒ポチ・白ポチが散らばっていて・・
まるで「私は田舎蕎麦よ!」と全力主張しているよう。
まあ少しばかり切り揃えにムラは有りますが (;^^)ヘ..
見た目どおりの食感に加え、噛み締めた時に広がる田舎蕎麦の芳香さ。

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訪れる度に成長を感じてしまうのです。
次ぎにお蕎麦を頂く時にはどうなっているのでしょうか・・・

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それを楽しみに思いながら
この日の幸せ終了です。

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薬庵

お店は→奈良県葛城市當麻町
電話は→0745-48-6810
営業は→11:45~14:30(売り切れまで)夜は2名以上で要予約
お休み→金曜日(祝日の場合は営業)
最寄り駅→近鉄當麻駅 徒歩10分程度
駐車場→すぐ近くに有料P有り

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2014年6月25日 (水)

やっぱりここは心地いい 三重県は名張市「そば けいた」

私の蕎麦屋通いには二通りの楽しみがある。
一つは「蕎麦を味わう」。そしてもう一つは「蕎麦屋を味わう」なのだ。

極端に言うと・・

・味だけを楽しむ店。
・味もそうだが店の雰囲気がとても良い店。

私にとってはどちらも通いたいお店なのである。
もっともお酒を飲む時にはまた違う条件も入るのだが (^0^)

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「そば けいた」

ここに初めて訪れたとき感じたのは、まず店作りの素敵さと素朴な接客の心地よさだった。

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青蓮寺ダムに程近いお店はそう広くない敷地に立つ山小屋のような簡素さだけれど、小さい庭と店内が一体感を持ち、その広さを感じつつお蕎麦を頂く事が出来る。

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この時期、緑の中に淡い赤色の花を持った楓を眺めながら頂くお蕎麦は、味以上に素敵さを与えてくれる。

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極細打ちながらしっかりとしたコシを持つお蕎麦は、シャキッとした歯ごたえと辛味大根の刺激がいい。

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少し汗ばむような辛さにお蕎麦の風味がほんのりと加わり、つるつるっと納まる感はこれからのシーズンに丁度良いお蕎麦。

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食べ終えた器に蕎麦湯を注ぎ入れズズッとすすれば、さわやかな辛さとお出汁のまろ味でホ~ッと一息。

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「けいた」の素敵さは、日常を離れた空間に見つけるホンワリ感なのではないでしょうか。

年に数度しか訪れないお店。でも、年に数度は訪れたいお店なのです

これでこの日の幸せ終了です。

Photo そば けいた

お店は→三重県名張市青連寺1258-9
電話は→0595-61-1371
営業は→11:30~14:30 17:30~19:30(土日祝の夜)
お休み→水曜日
最寄り駅→近鉄名張駅から約3.5km
お車は→駐車場5台程度

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2014年6月21日 (土)

夏の到来は爽やかにスダチ蕎麦 和歌山県白浜町は「さいこう」

最近は梅雨前に「真夏か?」という暑さに見舞われることが多く、猛暑日となることさえあるが、こんな時は何と言ってもスダチ蕎麦なのだ。
酸味が効いた冷たいかけ汁で頂くスダチ蕎麦は夏蕎麦のチャンプ
あ~~っ、スダチ蕎麦が食べたい~~っ!!

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そう思うと、いても経ってもいられず白浜へ向かいました。
大阪の「まき埜」で初めてスダチ蕎麦を食べて以来、必ず夏に一二度は頂きます。
和歌山でこれを出すのは「土山人」と同門である「さいこう」だけ。

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この日の突き出しは冷や奴でした。
間もなく出されたお蕎麦は薄く透き通ったお出汁が張られ、輪切りのスダチが幾重にも散らばり・・

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その鮮やかな緑が見るからに涼やかさを醸しだし、これだけで体感温度-1℃
一口お汁を啜ればヒンヤリとして、爽やかな酸味と出汁の旨味が折り重なるように押し寄せる。(そして体感温度-2℃)
このバランスが。。。

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お蕎麦もキッチリとしたコシを残し、噛み締めると舌に広がる味はスダチに負けていないのが素敵。
もちろん汁まで飲み干して元気を頂きました。

まさに夏蕎麦の代名詞と行って良いでしょう。

ほかにも夏蕎麦メニューを出すお店も有り、暑い夏、たまに変化を付けては如何でしょうか。

※ 今年さいこうは6月23日~7月27日まで夏休みとなります。

麺処 さいこう

8__2お店は→和歌山県西牟婁郡白浜町1335-8(柳橋通り)
電話は→0739-42-3150
営業は→11:00~14:30
お休み→日曜日
駐車場→3台程度
最寄り駅→JR紀勢線白浜駅からバス

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2014年6月17日 (火)

いよいよ開店 兵庫県丹波市柏原町は「蕎麦と料理 和さび」

6月1日、兵庫県丹波市に新しいお蕎麦屋さんが開店です。
かつては茅葺き屋根だったろう古民家をお店に改装。
蕎麦と料理 和さび

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靴脱ぎを上がると正面にはカウンター席、その横にあるお座敷にテーブル席を配置。
お蕎麦単品をと思っていたのですが、チョット気になるお昼のセット1800円を注文しました。

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まず出された豆腐に引き続きすぐに前菜盛りあ・・エッ!
九枡に仕切られた中にそれぞれ前菜が盛られていて素敵です・・・

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鴨ロースとオクラに酢の物、ヒジキや白和え等々が並ぶ。
少しずつ沢山の料理が頂けるのは女性にも酒飲みにも喜ばれるもの。
こっ、これだけでビール何本飲めるだろうか (;^^)ヘ..

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次いでお凌ぎの鯖寿司も出されます。
(お凌ぎと言ってもフルサイズで三切れなのですが)

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お蕎麦は赤ポチや黒ポチが少し散りばめられた二八細打ちで、カチッとした腰を感じる食感。

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抜き実挽きぐるみのブレンド加減が丁度良い風味に仕上がっていて、お蕎麦だけで十分美味しく頂けます。

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お蕎麦を食べ終え、前菜盛り合わせを摘まみながら、少しトロ味がかった蕎麦湯で鯖寿司を頂きました。

そして最後にデザートの蕎麦アイス。

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この内容でこの価格はとても満足がいくものだと思います。
ただ開店後2週間ということもあってか、配膳の導線が噛み合っていません。

お蕎麦を出すタイミングが早すぎると思います。
せめて前菜を半分以上食べ進んだ頃に出すようにしては。
何か急かされているような気分になってしまって・・・
せっかくの素敵なランチですから、徐々に組み立ててみて下さい。

何はともあれお蕎麦が美味しく、楽しみのお店が出来ました。

これでこの日の幸せ終了です。

蕎麦と料理 和さび

お店は→兵庫県丹波市柏原町柏原574-2
電話は→0795-72-0028
営業は→11:00~14:30 17:00~20:30(LO)
定休日→火曜日
駐車場→有り
最寄り駅→JR柏原駅 約300m

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2014年6月14日 (土)

小さな町歩き 奈良県宇陀市は大宇陀 町家カフェで一時 「茶房あゆみ」

小さな町歩きで、何度かご報告した町です。

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国の重要伝統的建造物群保存地区(重伝建)の指定を受けた大宇陀。
江戸後期から明治にかけた家並みが残る。

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町の北には松山西口関門が往時の姿を物語ります。

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近年は町自身が旅人を迎えるようになりました。

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昔は少なかった飲食店ですが、「茶房あゆみ」など食事や喫茶が出来るお店も増え、手打ち蕎麦も楽しめる「蕎麦庭 旅人」もあります。

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「あゆみ」の奥様はとても気さくで(いや気さくすぎて (^0^)・・)
開店以来ついついここにお邪魔するようになりました。(バイク好きの御主人も優しくて素敵です)
この日、気温30°超えの大宇陀歩きに思わず冷や素麺を頼んでしまいました。

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氷が入ったぶっかけの素麺は宇陀産で、コシが強くて弾むような歯応えが有り、喉越し心地よく胃の腑に収まります。
奈良のこんな日には冷たい素麺に限ります (;^^)ヘ..

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先日来た時臨時休業だったのはインフルエンザだったとか、今年は又兵衛桜の開花が少し長かったなど・・・
アイスコーヒーを頂きながらとりとめも無い話をして・・・

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いつも流れる心地よいオルゴールの音色と、ママさんの声に聞き入りながら、
お店を後にしたのでした。

茶房あゆみ

お店は→奈良県宇陀市大宇陀
営業は→11:30~16:00頃
電話は→??
お休み→土日は開いてます
最寄り駅→近鉄榛原駅からバス
駐車場→隣接に有り(道の駅第2Pも有ります)

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2014年6月 8日 (日)

涼やかに風が通る高台の空間 大阪は堺市中区「そば家 会合」

入梅
しとしとと長雨が降り続くこの時期、時折訪れる「梅雨の中休み」が子供の頃には何よりも嬉しかった。
7月も半ばが見えると雷と共に強い雨が降り・・・いよいよ夏の到来となる。・・・だった。
近年はそんな情緒の有る梅雨は様変わりしたようだ。

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さて、そんな入梅の頃に初めて訪れた堺市にある「会合」は、泉北ニュータウンに隣接する高台にあるお蕎麦屋さんなのだ。

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日本家屋を改装し客室としているのだが、白と黒を基調にセンス良く和モダンに仕上げられていて居心地が良い。
むき出しの天井に置かれた古い家具調ステレオが印象的。

3_ 冷・温蕎麦の単品以外に「冷冷(ひやひや)」と「冷温(ひやあつ)」が有り「冷冷」をお願いしました。
(讃岐うどんみたい・・)

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これは抜き実と挽きぐるみの食べ比べでなのです。
初めに出される"もり"は北海道音威子府産の抜き実。

細打ちや極細打ちが流行の昨今、このスタンダードな太さは何故か懐かしく、不思議と安心感さえ覚えます。

浅漬けが添えられるのですが、これは蕎麦湯と共に頂く事にしましょう。

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一口手繰るとモチッとした食感で、噛み締めると線が細くて密やかですが、しっかりとした味を感じます。

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7_ 続いて鹿児島産の田舎。
これは挽きぐるみ細粒粉で打たれていて、薄ピンクのお塩が添えられます。
最近はお塩にも拘るお店が増えてきて、色々なお塩を味わうことが出来るようになりました。

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艶ッとした信州蕎麦の面持ちを持った蕎麦肌は黒々と言うより薄小豆色で、ムッチリとした食感の噛み蕎麦系。
蕎麦殻を挽き込んだ田舎特有の風味が優しく感じるのです。

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お客さんも一段落した頃蕎麦湯が出され、御主人と少しお話しが出来ました。

田舎はいつもなら粗挽きで出しているそうなのですが、この日は粉が無くなってしまい細粒で打たれたそうです。
翌日からはいつも通りの粗挽き田舎となるようです。

涼やかに風が通る店内は心地よく、梅雨のじめじめを感じずに一時を過ごせました。

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そば家 会合

お店は→大阪府堺市中区田園506
電話は→072-239-3929
営業は→11:30~15:00
お休み→火・水曜と毎月最終月曜
駐車場→7~8台
最寄り駅→泉北高速鉄道 泉ヶ丘駅

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2014年6月 4日 (水)

泉州ベッピン二八蕎麦 大阪は岸和田市「泉州 新ばし」

大阪南部で手打ち蕎麦屋が増え始めたのはここ15年前位だろうか・・
元々蕎麦文化の薄い南近畿はうどんがメインで、蕎麦屋酒を楽しめる店が少なかった。
近年はそんなお店も多くなり、店の特色を活かした住み分けが生き残る鍵となるのだろう。

そんな泉州で新参の店が「泉州 新ばし」だ。
石臼自家製粉の抜き実二八に拘り、少し透明感有る蕎麦肌は眺めるだけで思わずほほが緩んでしまう。

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基本を押さえキッチリと打たれたお蕎麦は綺麗に切り揃えられ、カチッとしたコシが小気味良い食感を生むのです。
抜き実一番粉メインなのでガツンとくる味わいでは無いのですが、しっとりと上品な風味を醸し出します。

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そのお蕎麦に合うのが鴨汁。
汁椀の蓋を開けると立ち上る湯気の向こうに見えるのは、葱や三つ葉に加え若布が入るのは目新しい。
鴨のコクを出しつつも後口良い上品な仕上がり。
厚めの鴨も軟らかくて美味しいんです。

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夜には鴨塩焼きなど酒アテも増え、充実した蕎麦酒を楽しめそうなお店なのです。が、未だ未経験・・・
是非是非一度お伺いしたいものです。

泉州 新ばし

Photo お店は→大阪府岸和田市上野町西12-27
電話は→072-468-7817
営業は→11:00~14:00 17:30~20:30
お休み→水曜日
最寄り駅→南海本線和泉大宮駅西出口 徒歩6分
駐車場→西二軒隣に有り(2台)

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2014年6月 1日 (日)

この店で初めての更科 和歌山は神前「かなや」

御前そば・殿さま蕎麦等とも言われる更科.
蕎麦米の芯だけで打った真っ白いお蕎麦で、透明感有る蕎麦肌はとても綺麗に輝いている。
ただその分お蕎麦の風味はスポイルされ、茶蕎麦や芥子切り、柚子切りなどの変わり蕎麦に使われることが多い。
東京の麻布にある総本家更科堀井では月替わりで変わり蕎麦を出している。

さて、和歌山で本格的な江戸蕎麦を出す「そば切り かなや」。
今回少し迷って初めての「更科」をお願いしました。

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お蕎麦屋さん巡りで更科を食べたのは何度目でしょうか。
味も素っ気もないものだと思っていました。

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一口手繰り上げ噛みしめると,フンワリ、とてもフンワリなのですが、ほのかな香りが漂ってきます。
これは香道の世界にも似ているような・・ 間違い探しの絵の中に見つけた違いに一喜一憂するような。そんな印象さえ感じるのです。
汁と共にそのほのかな味をまさぐる・・・まさに香道なのかもしれません。

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淡いもえぎ色や緑、そして赤やピンク。
季節の色を打ち込んだ更科蕎麦を頂くのは江戸蕎麦の粋と、侘び寂の世界を楽しむゆとりが無くてはなりません。
少しだけ更科の魅力を感じたこの日でした。

これでこの日の幸せ終了です。

そば切り かなや

お店は→和歌山市神前
電話は→472-7078
営業は→11:30~14:00(売り切れ次第)
お休み→土・日以外
最寄り駅→和歌山電鐵神前駅(徒歩3分)
お車は→県道秋月海南線神前交差点北
駐車場→2台

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