小さな町歩き 重伝建の町並み 京都は嵯峨鳥居本散歩
昔、京都で最も京都らしい風情を感じる場所が嵐山から嵯峨野界隈だった。
竹林の小道に歩み入ると、沿道には竹細工の店などが建っていた記憶がある。
とにかく嵯峨は京都の象徴の一部だった。
最後にこの地を訪れたのは何十年前だったろうか・・・
阪急嵐山駅に降り立ち渡月橋を渡ると観光客で賑わう嵐山の町並みに入ります。
人混みを掻き分けJR山陰本線の踏切を渡る頃にはその雑踏が影を潜め、ポツポツと観光客らしき人を見かけるだけとなりました。
かつて、雑誌「an・an」や「non・no」を片手にした「あんのん族」と呼ばれる若い女性達が闊歩し、嵐山に勝るとも劣らずの観光スポットだったのです。
今回そんな嵯峨野にある重伝建の町「嵯峨鳥居本」を訪れました。
愛宕信仰が盛んとなった頃、この地には愛宕山に詣でる人々が賑わい、いつしか宿屋や茶店・土産物屋が軒を連ね、白壁の土蔵が昔ながらの町並みを今に残します。
沿道には竹細工や嵯峨豆腐などのお店が建ち並ぶのですが、嵐山にお店を構える所も多く、今はここまで歩く人が少なくなっているのでしょうか。
ふと振り返ると、いつしか京都の町が眼下に広がっていました。
ここで少し重伝建(国の重要伝統的建造物群保存地区)のお話しを。
古い町並みを今に残している地域が受ける指定なのですが・・
これは地元が保存計画など様々な報告書を策定して申請し、審査の結果見合う物であれば指定されるもので自己申告制。
当然自宅の改築には制限を受け、観光客の来訪も考えられるなど、住民の協力無くして成り立たない指定です。
有名処は世界遺産にも登録された岐阜県白川郷、関西では京都府美山町や福井県熊川宿などがあります。
さて、嵯峨鳥居本の重伝建地区は延長約650mの府道沿いに有る建物に指定を受け、その真骨頂は北端部に位置する一の鳥居付近でしょう。
茅葺き屋根の古い家がそろそろ歩き疲れてきた脳神経を刺激するのです。
そして愛宕一の鳥居を挟み建つ「つたや」と「平野屋」に出会うと途端にタイムスリップ。
今尚残る茅葺き屋根に生える苔が緑を彩り、往来の人々に餅と茶を振る舞ったであろうその姿がそのままに現れます。
この地域に愛宕詣での歴史を感じました。
一度どちらかでお食事を頂きたいと思いながら、さらに歩みを進め北に登ると愛宕念仏寺(おたぎねんぶつじ)に至のですが・・・
愛宕念仏寺は次回にて。。
嵯峨鳥居本
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