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2014年9月

2014年9月28日 (日)

ちょっとリッチにお蕎麦 京都市北区は紫野「和久傳 五-いつつ」

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紫野 和久傳 大徳寺店が今年9月3日にリニューアルオープン。
一品とお蕎麦を楽しめる「和久傳 五-いつつ」となりました。

暖簾は掛かるが入口はここではなく、西に回り込んだところにある。

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二階にある客室はシックにまとめられていて、陽が落ちる頃にはカウンターに行灯が置かれる。

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この日蕎麦仲間のT氏とチョイと飲みに訪れたのだ。

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一品は500円からという比較的リーズナブルな設定。

・ぐじの一汐(ひとしお)

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酢橘と共に盛られた切り身は結構量があり、ギュッと酢橘を絞ると軽い脂のりの甘味有るぐじに程よい酸味を添えます。
それに鱗の付いた皮を炙ったアクセントがいい。

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山葵を少し載せて頂けば、ネットリと纏わり付くような舌触りと共に大豆の濃厚な甘味を感じる。。

・水茄子の漬物

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以外にも水茄子は少し硬めで甘味が薄く、ほんの少量の醤油が必要なのだが、ぐじ、湯葉豆腐の後の口直しとしては。。。

・銀杏塩煎り

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今が旬の銀杏は存在感が在るかなりの大粒だ。
子供の頃には美味しいなどと思いもしなかったのだが・・・

ビールを焼酎に替えて摘まむのには持って来い。

・豚角煮

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そろそろお蕎麦と思いながらも・・ついついもう一杯
そのお供にと豚角煮と鯖寿司を追加する。

・鯖寿司二切れ

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軟らかく煮込まれた角煮には大徳寺味噌が塗られていた。
一切れからでもお願いできると言う鯖寿司も、肉厚の鯖と酢飯の加減が程良く、、これでまた一杯 (;^^)ヘ..

・お蕎麦

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さて今度こそお蕎麦をお願いします。

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柳腰で美味しいお蕎麦は、かみしめるとフンッと蕎麦の風味が広がる。

ただ、お蕎麦としてはまだ課題も多いが今後が楽しみになるかもしれない。

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熱いので」と注いで頂いたトロ味有る蕎麦湯は、僅かに辛味が勝つ出汁の香漂う蕎麦汁の旨味を倍増します。

それぞれの価格は昨今の小洒落た一品を出す手打ちそば店と比べれば決して高くはなく、しつらえや接客などにもちょっとした贅沢気分を味わえるのはいい。
お店を辞した頃にはどっぷりと日は暮れていました。

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これでこの日の幸せ終了です。

紫野 和久傳 大徳寺店「蕎麦と料理 五(いつつ)」

Photoお店は→京都市北区紫野雲林院町28
電話は→075-495-6161
営業は→11:30~20:00(LO)売り切れ仕舞
お休み→木曜日
予約は→不可

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2014年9月25日 (木)

曼珠沙華の赤と蕎麦の白 和歌山県かつらぎ町天野

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いいな~~っ!

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天野の里は長閑な風景が広がる小さな山間の地。

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こんな小さな集落に立派な神社が在る。

これだけでここが特別な場所のような気がするわ。

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この時期に小さくて白い花を咲かせるのが蕎麦の花。

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曼珠沙華の赤と蕎麦の白のコントラストが素敵。

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空の青の元には黄金色の稲穂が輝いていました。

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2014年9月21日 (日)

小さな町歩き 重伝建の町並み 京都は「祇園新橋」散歩

国の重要伝統的建造物群保存地区、いわゆる「重伝建」。
京都市にはその重伝建の指定を受けた町が4カ所ある。
既に「小さな町歩き」で紹介した清水の「産寧坂」や上賀茂の「社家町」に嵯峨野「嵯峨鳥居本」、そして今回の「祇園新橋」だ。
京都が4カ所とは意外に少ないと思われるだろうが、京都市以上に古都である奈良市には一つも無い。
市レベルでは金沢市や萩市と並ぶ全国1地位対なのだ。
因みに県内の登録数では、石川県の8カ所に次いで京都府の7カ所となり、岐阜県の6カ所が続く。

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さて、その祇園新橋は昔ながらの茶屋町が残り、しっとりとした趣ある雰囲気が往時の賑わいを醸し出す。

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お茶屋遊びには縁の無い私にとって、この町を歩くだけで三味線や小唄が聞こえてくるのだ。

2__2京町家が茶屋街の歴史と共に変化し、市民運動もありその風情を今に残している。
軒下には厄災を祓う祇園さんの粽(ちまき)が掛けられていて、「蘇民将来子孫也」と書かれたお札が貼られている。
JRの駅に張られ物議を醸した岩手の蘇民祭を代表する各地の祇園さんに残る信仰だ。

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通りの東にある辰巳大明神は狸を祭神とし、技芸の神様として今に残る。

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そのすぐ横に架かる辰巳橋を渡ると、犬矢来が立て掛けられた料理屋などが並ぶ切り通しへ通じる。

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新橋通に寄り添うように流れる白川のせせらぎが潤い有る町を演出していた。

そしてもう一つの素敵な通りが、鴨川を挟んだ対岸にある先斗町だ。

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三条から四条に続く細い通りなのだが、その両側にはぎっしりとお店がひしめき合う。

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そこから枝のように延びる「ろうじ」は、覗きこむだけでも素敵な雰囲気を楽しむことが出来る。

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歌舞練場がある先斗町には和服が似合う。

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新橋・花見小路・先斗町、そして木屋町。
京都祇園の繁華街の代名詞ではないでしょうか。

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何れもほろ酔いになりたいエリアなのだ。

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2014年9月15日 (月)

やっと夜に訪問 裏メニューも頂き! 大阪府岸和田市は「泉州新ばし」

残念ながら休業中

開店間もない頃お昼に訪れて、気付かずとはいえ掟破りの夜メニューをお願いした私。

「本当は夜だけなのですが特別に」と親切に対応して頂き、恐縮至極で何度もお詫びしながらお店を出たのでした。
その後お昼には何度かお伺いしたのですが・・

やっと! やっと!正々堂々と注文する機会を得ました。
夜の部開店時間18時を少し回っての入店。

ビール!、鴨塩!、玉子焼き!、蕎麦掻き!・・・
誰はばかる事無く、大胆にも4品一気注文!!

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メニューには「出汁巻き」ではなく「玉子焼き」とあり、甘さ加減をお伺いすると「そう甘くは無い」とのこと。
(なにせ東京の御菓子のような甘~~い玉子焼きが苦手な私)
食べてみると控えめな甘さがあり、どこか懐かしい家庭的な味が広がる。

そして・・

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これですこれです。大好きな鴨塩焼き。
南近畿ではほぼ無い蕎麦屋の一品。小振りなれど6切れは嬉しい~。
添えられた塩で頂くと断然お酒が進む一品なのだ。

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4_次ぎに登場した蕎麦掻きは素朴でやんちゃな仕上がりで、小さめのくせにタユッと蕎麦湯が張られた器にデンと浸かっています。
フンワリネットリタイプと違って、ギュッとした感じのしっかり歯応え。
蕎麦仲間のT氏はすでに焼酎に突入し、私は2本目のビールでプハーッ!

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そのT氏が興味を示した焼味噌も追加 (;^^)ヘ..

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蕎麦米や葱などが練り込まれた西京味噌を、シャモジに塗って焼き上げた蕎麦屋定番仕様。
私もビールを焼酎蕎麦湯割りに替え、お味噌でチビチビとやる事に。
日本酒好きならこれだけで夜を明かすかもしれません。

10_さあ、ようやく締めのお蕎麦としましょう。
T氏は大好きな梅紫蘇おろし。
私は「裏メニューの熱盛り(あつもり)」をお願いする事にしました。
(お客さんからのリクエストが多く、注文されると出されるようです)

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熱い汁に湯通しのお蕎麦。鶏卵の黄身が添えられます。
エ~~ッ! 黄身だけ~~ッ!!
泉州は全卵が一般的なのだが、でも汁とのバランスも良く、新橋のアッサリお蕎麦が湯通しでムンッ! そこに卵黄のコクがプラスされます。

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店主御夫妻とも色々とお蕎麦の話をお伺いし、大満足の二人はほろ酔いで岸和田駅に向かったのでした。
駅前では「だんじり祭り」の練習をする青年達の声が通り過ぎ、いよいよ秋の訪れを感じながら・・
これでこの日の幸せ終了です。

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それにしても大工方は素敵ですよね・・・

泉州 新ばし

Photo

お店は→大阪府岸和田市上野町西12-27
電話は→072-468-7817
営業は→11:00~14:00 18:00~20:30
お休み→水曜日
最寄り駅→南海本線和泉大宮駅西出口 徒歩6分
駐車場→西二軒隣に有り(2台と思う)

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2014年9月10日 (水)

酒肴三品で蕎麦酒 京都市は中京区丸屋町「蕎麦 ろうじな」

京都の夏は本当に暑い。

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盆地特有の気候は奈良同然なのだろうが、それにしても茹だるような暑さが体に突き刺さるのだ。

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京阪三条駅を降り立った鴨川には僅かに涼やかな風が流れるのだが、氷の旗の誘惑に思わず足を踏み入れそうになる。

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今年6月にオープンした「ろうじな」は、「なかじん」・「鴨音」を経た御主人が独立され開いたお店のようだ。

4_縦に長い店内はカウンターとその奥にテーブル席もある。
一品も揃うので蕎麦屋酒の利用にもいい。
取りあえず酒肴三種盛りとビール。
エビスをグラスに注ぎ入れ、グビッ、グビッ!・・プッハ~~ッ。。(^0^)

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喉から胃の腑に訪れる安堵感。先ずはこれで火照りを鎮め・・ましょう。。
そして三種盛りが素敵すぎて、また火照ってきたりするのです。
南蛮漬けと鴨ロース煮、穴子の煮こごり。

6_upどれも美味しいのだが特に鴨がいい。
小振りながら柔らかくジューシーで厚みもある。

煮こごりもこの季節にはピッタリ。

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注文時にかなり惹かれた「冷やし鴨南蛮」なのだが、結局いつも通りの鴨せいろを選択。
空気感をもってコンモリと築かれた蕎麦山は、流れ出す泉のように流麗だ。
極細打ちのお蕎麦はしんなりとして口当たりがソフト。

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特筆は鴨汁、細かくサイの目に切られた鴨肉が入る。

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これには思わず「初めまして!」と挨拶しそうになった。
濃くも薄くもなく程良いというお店はあるのだが、ここはコクというか旨味というか・・
何ともアメ~イジング!な味なのである。
奈良の或るお店で頂いた鴨汁に勝るとも劣らずなのだ。

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その鴨汁をサラッとした蕎麦湯で割ると、アッサリの中に旨味が増すのです。
これを「口福の一時」というのでしょうか。。

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願わくば酒肴三種盛りの大盛り(+500円位)がメニューに出てくれますように!!

そう思いながらこれでこの日の幸せ終了です。

蕎麦 ろうじな

お店は→京都市中京区夷川通寺町西入ル北側(丸屋町691)
電話は→075-286-9242
営業は→11:30~14:00LO・14:30閉店、18:00~19:30LO・20:00閉店
お休み→月曜
最寄り駅→京阪神宮丸太町 

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2014年9月 7日 (日)

超極細蕎麦の冷やかけが大人気 三重県伊賀市は「我流庵かかかび」

ちょっとご無沙汰だった我流庵へ数ヶ月ぶりの訪問。

開店間もなくという事もあり小さな店内は満席で、それでも何とか相席を頂き初めてのおろし蕎麦を頂く事にしました。

読みかけの本に目を落としていると、あちこちで小さく聞こえる「冷やかけ」・・「冷やかけ」の声。
しかも「冷やかけ」を食べ終え席を立たれた"御相席様"の後に座られた、次ぎの"御相席様"が注文したのも「冷やかけ」蕎麦でした。
いったい何なんだ! この冷やかけブームは!!
(冷やかけとは、冷たいお蕎麦に冷たいかけ汁を張った冷たいかけ蕎麦のことで、「スダチ蕎麦」や「冷やしたぬき」などが一般的)

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さて、私の「冷かけ」、いや「おろし蕎麦」が到着。が・・エッ、これってすごく薬味が豊富ではないですか!?

2_椎茸や昆布巻きに鴨の甘辛煮込み、スルメ天・山クラゲなど8種類。
これらを全部お蕎麦に載せると、それはそれは旨み満載の楽しい「おろしぶっかけ」になるのでしょうが、、、
あえてお蕎麦の合間にそれぞれを頂きました。

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流れるように盛り上げられた極細打ちのお蕎麦、その山頂に君臨する緑の辛味大根おろしが清涼感を演出する。
相変わらずキッチリと打たれた極細のお蕎麦。
その歯応えは水面に引きずられる柳の枝先のようなしなやかさを感じる。

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おろし蕎麦を食べ終えた後、話題の「冷やかけ」を御主人のご厚意で特別に小盛にして出して頂きました。
先ず目に入ったのはお蕎麦の細さ。
まさにJAS規格なら素麺級の超極細打ちで、しかも蕎麦のコシと風味がキッチリ感じられます。

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先ほど頂いたおろし蕎麦の薬味とほぼ同じの物が浮かべられ、柚子の香りがそれらの味を引き締めてくれている。
出汁と薬味の旨味が効いた汁は少し濃い目で、冷やかけには丁度良い塩梅です。
これは何とも素敵な夏蕎麦発見!

この日御主人は忙しく、帰り際奥様に「かなりの細打ちですね」と伺うと、「もっと細かったのですが口当たりの加減で少し太くした」そうです (・0・)

以前から冷蕎麦と温蕎麦を打ち分けられている御主人なのだが・・・
相変わらず旺盛な探究心で蕎麦打ちに取り組んでおられるようです。
橿原市すずひめのざる蕎麦風スダチ蕎麦に続き、夏蕎麦定番に加わりました。

いざ参らん・・・来年の夏も!!

これでこの日の幸せ終了です。

我流庵かかかび

お店は→三重県伊賀市甲野1629
電話は→0595-51-4307
営業は→11:30~14:30(予約ベター)
お休み→月・火・第四日曜
駐車場→5台
最寄りIC→名阪国道中瀬IC約8Km

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2014年9月 3日 (水)

参道蕎麦店でほろ酔いセット 兵庫県宝塚市は清荒神「乃乃」

以前から知っているのに中々訪れる事が出来ないお蕎麦屋さんが沢山有る。
でも全然知らないお蕎麦屋さんに偶然出会う事もあるのだ。
今回はまさにそのとおりの展開になってしまったのです。

一度宝塚市の「三佳」で蕎麦酒を楽しもうと阪急電車に乗ったのですが・・
時間的に余裕があったので清荒神(きよしこうじん)で途中下車。
清荒神」は奈良の「立里(たてり)荒神」・「笠山荒神」と並び関西三荒神と言われ、火の神・竈の神なのです。
(諸説色々・・)

でも立里や笠山のように山深い神域に踏み入れるという訳ではなく、お店が建ち並ぶ参道を2キロほど歩く先に清荒神はあります。

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そんな荒神さんは訪れやすさもあってか、お願いとお礼のために色々な人が参拝する地域密着型荒神さんのようでした。

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その参道に見つけたお蕎麦屋さんが「乃乃」。

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この日のあまりの暑さに、店頭メニューで見つけたほろ酔いセットの誘惑に負けてしまい入店。。(;^^)ヘ..

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夏場は「おでん」ではなく「鰊煮」か「蕎麦豆腐」とのことで蕎麦豆腐とする事に。

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「出汁巻き」もお願いしたのですが、この日はNGとの事でした。

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取りあえずビールを・・・ク~~ッ!! うんめぇ~~ッ!!
舌に感じるほろ苦さと炭酸の刺激、そして五臓六腑に染み渡る冷たさは、よくぞこれまで生きてきたというほどの感動 (^0^)
まさに酷暑のこの日、「地獄に仏・渡りに舟とはこのこってェッ!!!

蕎麦豆腐はスプーンで掬い上げると糸を引くようなトロトロ加減。
これは豆腐と言うよりもプリンで、酒肴というよりデザートであるべきかもしれません。

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抜き実平打ちのお蕎麦は手繰り上げるとフンと香り、良くある参道蕎麦とは違い意外にも美味しいのです。

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蕎麦汁は昆布が前に出る関西系で、ホンノリと甘味が伴う私好み。

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御主人に伺うと、営業してからもう十年ほど経つとの事で、夏場のこの時期は訪れる人も少なく大変だそうです。
近年はシャッター店も目立ち、往時の賑わいは薄れているらしい。

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お店を後にして・・・三佳は次回にしようっと (;^^)ヘ..
宝塚を目の前にすごすごと帰路につきました

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神仏合体が残る清荒神は、地元の信仰厚い荒神さんなのでした。

手打そば処 乃乃

お店は→兵庫県宝塚市清荒神3丁目13-19
電話は→0797-87-9687
お休み→金曜と第3木曜
最寄り駅→阪急清荒神駅

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