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2015年2月

2015年2月26日 (木)

小さな町歩き 路地裏探検隊 東京都文京区は「神楽坂散歩」

ずっと昔、「粋な黒塀見越しの松に」・・・こんな歌い出しの歌謡曲があった。
その頃のJ-POPと言える春日八郎の「おとみさん」という歌だ。
神楽坂にはその歌のような粋な黒塀が有る。

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飯田橋駅から続く神楽坂はかつては知れた花街だったのだが、今は通り沿いにお洒落な店が建ち並び、往時とはまた違った賑わいを見せていた。
冒頭の黒塀はその神楽坂通りから一歩控えた路地にひっそりと点在している。

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神楽坂から左右に張りめぐらされた路地はまるで迷路のようでもあり、車一台が通れる路地や人がすれ違うだけの路地も多い。

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そこは大通りから大通りへ抜ける生活道路でもあり、サラリーマンや買い物帰りの人達が普通に通り抜けていく。

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路地と言えば約束の猫が道の真ん中でふてぶてしく日向ぼっこをしていたりするのだ。

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こういう所が路地裏の素敵さでもある。

神楽坂を幹に枝葉のように延びる路地には料亭や料理旅館があり、夜ともなれば黒塀の前を芸者衆が行き交う光景が目に浮かぶようだ。

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この界隈は兵庫横丁や芸者新道、かくれんぼ横丁などとその名も楽しいのだが、三年坂や軽子坂・瓢箪坂などが示すとおり坂や階段も多い。

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和風感満載の神楽坂界隈だが路地の一部にはモダンなお店も増えており、旅本などには「パリの路地裏にあるカフェ街のよう」と書いてあったりする。

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パリには行ったことはないが、本で書くのだからそういう物なのだろう。
路地の多くはピンコロ石が張りめぐらされ、それがフランスの石畳と重なるのかも知れない。(何せヨーロッパには石畳が多いそうだから・・)

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そのせいか越前蕎麦の店までモダンだ。(^0^)

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黒塀と石畳が風情を醸し出す神楽坂。

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この風情がいつまで残るのか、、そんなことを考えながら遅めの昼食へ向かったのだ。

東京都新宿区神楽坂

最寄り駅:地下鉄・JR飯田橋駅

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2015年2月22日 (日)

こんな砂場も素敵です 東京は葛飾区「本所砂場」

この夜をどうするか中々結論が出なかった。
宿からそう遠くない場所には素敵な古拙がある。しかし下調べで見つけておいた本所砂場も捨てがたく、タイプが大きく違う両店の選択には宿を出てからも迷っていた。
二軒を両天秤にかけた結果、未訪問という重さで傾いた砂場に落ち着いたのだった。

地下鉄大江戸線蔵前駅から春日通りを歩く事約10分程でお店に到着。
丁度おかもちを持った店員がスクーターで飛び出していった。
立地の印象からも思うに、やはり出前もする町のお蕎麦屋さんだ。

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2__2 手打ちや自家製粉を売りにする本格的なお蕎麦屋さんも好きだが、丼物や定食、中華や洋食まで選択肢が揃う町のお蕎麦屋さんも魅力的だ。
そう広くない店内はレイアウトと内装の明るさで狭さを感じない。
相席テーブルに腰を下ろして覗きこむメニューには一品が沢山並び(といっても居酒屋のそれではないのだが)、お願いしたのは鴨煮本日の酒肴三品にビール。突き出しのお浸しと共に出されたのはスカイツリーバージョンのスーパードライ。
本当はキリンかサッポロが欲しい所なのだが、やはりここはアサヒのお膝元やからね。

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続いて出された鴨煮は肉厚ゴロリの鴨肉が5個・・と思ったら、お箸で摘まむとクニッと潰れた。。エッ!(5個から5枚に訂正やわ ( ^^) )
なんと薄めの鴨肉が綺麗に傘状に丸まっている (^0^) しかしこの値段なら値千金で十分満足。(これエエワ、どうやったらこんなになるんやろ)
柔らかくて甘辛い味付けも丁度良い!!

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おつまみ三品は漬物と豆腐ミンチカツに、柚子味噌が添えられた葱。
そして一ノ蔵 無鑑査本醸造 超辛口(宮城) 半合300円。
(日本酒苦手の私は、並木やぶで何度かお会いした初老の男性に感化され最近練習中)

キリッとした口当たりはその名のとおりで、品書きにもあるように爽やかさを口に運び、後味がスッキリとして切れが良い。

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追加で頼んだ蕎麦味噌・・結構てんこ盛りで胡瓜が添えられます ^_^;

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ここで八海山 本醸造(新潟) 半合350円
これも淡麗辛口ながら柔らかさも持ち合わせ、仄かな酸味を伴うも切れある酒です。

この間も出前の電話や、「とじ蕎麦の玉子をトロトロにして」というお客さんの要望に応じる庶民派。

そして三杯目は一の蔵に戻り仕上げのお蕎麦。

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ここは〆蕎麦(300円)なる酒飲みには嬉しいメニューが有ります。

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〆蕎麦といいながらもほぼ一人前近くはある盛り。
抜き実平打ちのお蕎麦は艶めいて瑞々しい(切り揃えに少しムラがあるんで手打ちやろね)。
シンナリと柳ゴシで打たれ、一口手繰るとほんのりと香る蕎麦の香がほろ酔いの胃袋に収まる。
リーズナブルでいて一品も美味しく、居酒屋では無いお蕎麦屋さんの蕎麦屋酒が楽しめる。ここ、良いです。

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本所一丁目にあるお店は出前もするし、客のリクエストにも応える下町の忙しいお蕎麦屋さん。
そこにはこれッポチの敷居の高さを感じさせない庶民派の素敵さがあった。

次回東京に来た時も是非お伺いしようと思い、襟を引き上げる寒風の町を駅に向かったのです。

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本所砂場

お店は→東京都墨田区本所1-31-8
電話は→03-3622-8674
営業は→11:30~15:00 17:00~22:00(LO21:30)
お休み→土曜日
最寄り駅→地下鉄大江戸線 蔵前駅(A7約570m)

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2015年2月19日 (木)

小さな町歩き 路地裏探検隊が行く東京は本郷菊坂界隈

ここを一度歩いてみたいと思っていた。

東京大学を挟み北東には谷根千があり、言わば隣町のようなここ本郷にも古き風情を感じる路地や建物が存在するだろうと思ったからかも知れない。
本郷も かねやすまでは 江戸のうち
その「かねやす」がある春日通りと本郷通りが交わる本郷三丁目交差点から歩き始めた。

(これはかねやすビルではありません)
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2__2本郷通りから西に足を向けると、住居と個人商店などが混在する菊坂通りに入る。
言問通りまで続く630m程の通りは、いわゆる全体がデパートであったりする地域のメインストリートなのだ。(ポスターにそう書いてあった・・)

歩く事暫し、この通りに平行して走る細い路地へ入る。菊坂下道である。
その名の通り菊坂通りの下に位置し、路地から左右どちらへもが上り階段となる低地で、菊坂下を中心にした界隈は、まるでミニチュア版谷根千(やねせん)のようだ。

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道沿いにはここに住む人々の息づかいを感じ、そしてまたトリッキーであったりする。

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炭団坂へと続くこの路地の入口には宮沢賢治が下宿していたそうだ。
この界隈は石川啄木や金田一京助、谷崎潤一郎・尾崎紅葉他錚々たる文人達に縁が広がるのだ。。

樋口一葉の旧居跡が有る路地には、一葉が使った古い汲み上げポンプの井戸が今も残る。。

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突き当たりに有る階段の両脇には、得も言えぬ趣をたたえた家が寄り添うように残っているのだ。
また菊坂下道から菊坂通りに上る階段の一つに、こんな家も存在感を放っていた。

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通りから少し入った所には結構立派な銭湯もあったりする。

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菊水湯。入口の唐破風(からはふ)に飾られる菊水の懸魚(けぎょ)は歴史を感じる物だ。

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菊坂下は新旧の建物が混在する、昭和の香りを色濃く残した素敵な通り。

ここから菊坂通りに出るとすぐ右手に樋口一葉が通ったという「旧伊勢屋質店」が現れる。
今は営業をしていないのだが往時の姿を今に残していた。

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郵便局を右手に見ながら胸突坂を登る。正に胸突き八丁の急坂と言えるだろう。

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途中には登録有形文化財の鳳明館という古い旅館がある。
後日調べると老舗旅館ながら割安価格で片泊まりや素泊まりが出来るのが嬉しい。ちょっとリッチな気分を味わうのも悪くないかもしれない。

本郷通り東大の赤門では観光客らしき人達が記念写真を撮るなど賑やかだ。

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今回はここで折り返し、東大正門前から新坂を経て再度菊坂下道を通り駅を目指す。

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正午前の日差しは、まるで夕刻のように狭い路地に影を落としかけていた。

本郷菊坂界隈

場所は→東京都文京区本郷4・5・6丁目
最寄り駅→地下鉄本郷三丁目駅・春日駅

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2015年2月15日 (日)

古さとモダンさが共存 東京都文京区は池ノ端「蓮玉庵」

安政6年創業という老舗「蓮玉庵」へ初めて訪れた。
ア・ン・セ・イ・・?  ノ・タ・イ・ゴ・ク・・?
江戸時代も終焉に近づいて頃ではないか。
という歴史有る老舗、蓮玉庵に向かった。

とにかく一回は行っとかんと江戸蕎麦を語れやン、そう思っていたお店なんよ。
今は歓楽街となった仲町通り。兄ちゃんのお誘いに「おおきに、また今度」などと答えながら通り抜ける。(今はそうしつこくは無く、反対に道を尋ねるととても親切に教えてくれたりする)

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外観は昭和レトロな雰囲気なんやけど、一歩足を踏み入れた店内は以外にもモダンでお洒落な感じで、蕎麦猪口が飾られる壁はさながらデパートのショーウィンドウみたいなんよ。

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色々考え倦ねた末オーソドックスに天せいろ、それにビール小瓶をお願い!

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突き出しは練り味噌ではなく炒めた獅子唐。

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丸いせいろに流れるように盛られたお蕎麦、一摘まみするとスルスルと解けゆくんよ。
さすが老舗の盛り技や。

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何気なく盛られているように見えるお蕎麦なんやけど、素敵なお店は上から摘まみ上げると一箸分が縺れずに持ち上がるよう盛られている。
一見薄盛りに見えたお蕎麦は、以外とボリュームがあります。
一番粉メインに打たれたお蕎麦はアッサリとして上品さを感じるんよ。
大っきな海老天は揚がりすぎず、一口すると着膨れしていません。

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茶瓶型の湯桶は使い込まれた渋さがあるんよね。

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京都から伝わった蕎麦文化は江戸ならではの形になり、東京の老舗に脈々と受け継がれてました。

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いつまでもこの地で暖簾を守っていて下さい。
そう思いながらお店を後にしました。

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蓮玉庵

お店は→東京都台東区上野2-8-7
電話は→03-3835-1594
営業は→11:30~15:30 17:00~19:30 日祝11:30~19:00
お休み→月曜(祝は翌日)
最寄り駅→JR上野駅

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2015年2月10日 (火)

堺にこんなお店出来てました 大阪府堺市北区新金岡町は「唐変木」

急遽江戸蕎麦の中入りにご報告

唐変木。
昨年(H26)暮れも押し迫った12月25日、そうクリスマスに開店した小さなお店がある。
(それにしてもえらく押し迫った時期に開店したものだが、年越し蕎麦を狙ったのかは聞きそびれた(^o^)、)

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堺市にある大泉緑地西側すぐの所にお店は有りました。
自宅改装型のようで、玄関から靴脱ぎを上がり店内に案内されます。
カウンター数席とテーブル席が四つ程の小ぢんまりとした店内は、ベージュ系の壁にダークブラウンのアクセントが落ち着いた雰囲気を出していました。

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常陸秋蕎麦と幌加内産(キタワセ?)を冷・温で打ち分けているようで、+250円で山かけ御飯をセットに出来るのですが、私は蕎麦に組み合わせる炭水化物は「蕎麦」と名の付く物しか頼みませんのでパス。

初めてのお店はざるが基本と決めているのに、鴨があれば節操なく頼んでしまう私。
その鴨汁には釜揚げ蕎麦とのチョイスもあって二者択一状態。

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しかもそれに輪をかけた御主人の一言が 「お蕎麦熱盛りにも出来ます」
こうして二択から三択に悩みが増えた結果、熱盛りや釜揚げを振り切りスタンダードな鴨汁蕎麦ということで落ち着いたのでした (;^^)ヘ.

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昨今流行の細打ちではなく、比較的綺麗な中細に打ち上がったお蕎麦は抜き実挽きぐるみのようで、黒ポチや赤ポチが散らばっています。
一手繰りするとムチッとした弾力ある歯応えが返ってきました。
これはガチゴシで「せん断力」に耐えるタイプでは無く、ねばりゴシで耐えるタイプ。
私的には「もうそこまで耐えやんでエエで!」的なしなやかな柔らかさがあってもいい。

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鴨汁は結構美味しく頂けて、鴨肉の仕上がりも柔らかさを感じます。

食べ終えた時に蘇った先ほどの「熱盛り」という御主人の一言。
尋ねると地域柄お客さんに訊かれる事が多いので用意している裏メニューだそうです。

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頼んでしまいました (^0^)
(熱盛りも大好きな私なので。でも少なめにしてもらいました)

ぬるい!!、ムワッと立ち上る湯気が無い。( ^^)

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御主人もお客さんに湯気が出ていないと言われたそうで、でも熱々まで湯通しすると蕎麦が切れてしまう・・確かに蕎麦粉が多くなれば繋ぎに使う小麦粉のグルテンが少なくなり、茹で・洗いの後熱々まで湯通しすればブチブチと切れてしまうのが当然ですよね。

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冷・温で産地を替えるだけで無く太さも打ち分けるという拘りを持つ御主人。
完成度に差はありますが私の大好きな伊賀にある我流庵の御主人に近いものを感じたような気がします。

近いうちに必ず釜揚げ+鴨汁を頂きにあがります
そう思いながらこの日の幸せ終了です。

手打ちそば 唐変木

Photoお店は→大阪府堺市北区新金岡町5-6-103
電話は→072-250-5151
営業は→11:30~14:30
お休み→月曜・第2・4日曜
電車は→地下鉄 新金岡 徒歩約10分
駐車場→店から西二筋目南入るCP駐車券

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2015年2月 8日 (日)

いつもどおり・・ 東京都千代田区は神田淡路町「神田やぶそば」

私は店を含めたその雰囲気全体が美味しい蕎麦屋が好きだ。
むろんお蕎麦が美味しいのに越したことはないのだが、どんなに絶品のお蕎麦を出すお店でも蕎麦以外が全部ダメという店にはきっと通わない。


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そんな店の雰囲気全体が美味しいと感じる神田やぶそばが昨年10月に営業を再開した。
火災から約1年8ヶ月という飲食店としては長すぎるような期間をかけての再開である。

本当はすぐにでも行きたかったのだが、ようやく今回の訪問となった。
私にとっては約2年ぶりとなる。


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神田まつやを通り過ぎ細い道へ曲がり進むと、ビルに囲まれた一角に新生神田やぶそばが現れた。


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以前を知らなければスッキリとして素敵なお店に感じるだろう外観は、庭こそ狭くなったものの取り払われた板塀の代わりに竹垣が造られ、それに沿うように植えられた竹は藪そばという名の由来を思わせる。


以前のように隔離された様なビル街の異空間を感じるのでは無く、どことなく辺りに旨く溶け込んでいるようにも映っている。

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先ず待合いから入りそこでドアを開け客室に入るるのは以前と同様だ。

いらっしゃい~~~~~、天井が高くなった広い店内にいつもどおりの声が響く。

お座敷が少なくなった?気がするが2階にもお座敷を設けたたようだ。

さて、肴はいつもどおりの「わさびいも」と「あいやき」を頼み、ビールはエビスの小とした。


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突き出しはいつもどおりの練り味噌で、これが中々旨いのだ。というより日本酒に合う。
これに遅れること無く出されたわさびいもには、いつもどおりの可愛らしいガラス製の醤油挿しに入れられた醤油と酢が添えられている。

6_ここのわさびいもの粘り加減は半端じゃない。お箸でつまみ上げると小鉢の中が全部持ち上がってしまう。いやこれは嘘では無く本当にそうなのだ。(写真を撮れば良かったのだが、おっさん一人トロロを持ち上げる図はさすがに恥ずかしい)
食べた事の有る人なら解るはずだが、お箸で切り分けて食べなければならないのである。
くどいようだが少量掬い上げようとすれば全部持ち上がるのだから。
まあわさびいもの話はこれ位にしておこう。


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そして大好きなあい焼きが満を持しての登場。
見よこの潔いいつもどおりの色合いを! モノトーンと言っても決して過言では無い。

おざわのように獅子唐の緑が添えられること無く、茶色と白だけのセピアな世界がお皿の中で広がっているのだ。
そして何よりの特色は鴨肉四切れに皮一切れが組み合わされている。

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普通なら鴨肉五切れか「つみれ」が添えられていてもおかしくは無いのだが、あえて皮を入れる!
これが神田やぶの拘りなのかもしれない。
鴨肉は歯で噛み切れる程柔らかくてジューシーなのだが、何よりこの皮が以外にも軟らかいのだ。
ガムのようにかみ続けること無く胃袋に収めることが出来る事を書き添えておく。


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頃合を見計らいお蕎麦を頼むと勘定場の方で響く「おせいろ~一枚い~~~~」の声。

これがお蕎麦少なめと頼めば「おせいろ~一枚い~~~台は桜で~~」となるのだろうが、そうすると三口くらいでお蕎麦が無くなってしまうだろうな・・・そんな馬鹿なことを思いながらグラスに残るビールを流し込んだ。

こうしていつもどおりの緑がかったせいろ蕎麦が運ばれるのだ。

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全てがいつもどおりなのだが・・やはり違和感を感じてしまう。

しかしや、がて時間の流れと共にこの店自体がしっくりと客に合わさっていくのだろう。







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ホーミーのような、そして声明(しょうみょう)のような声が変わることなく店内に響く。

いつもどおり神田やぶそばの歴史がまた新たに刻まれていく。


神田やぶそば

お店は→東京都千代田区神田淡路町2-10
電話は→03-3251-0287
営業は→11:30~20:00(LO)
お休み→水曜日
最寄り駅→地下鉄丸ノ内線淡路町・新宿線小川町・銀座線神田須田町

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2015年2月 4日 (水)

出会いは突然に!! 東京は西浅草「おざわ」

1年2ヶ月ぶりにおざわへ訪れた。
いや、実は昨年3月にも訪れたのだが・・臨時休業だったのだ。
この夜5時半の開店に合わせお店に行くと、何やらドアに貼り紙のような物があるではないか。まっ、まさか、あの悪夢のような4文字が脳裏をかすめた。
臨 ・ 時 ・ 休 ・ 業

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がしかし、貼り紙には「本日6時開店となります」・・・
どうやら40分程時間を潰せばお酒とお蕎麦にありつけるようだ。
浅草寺西に犇めく素敵な飲み屋の誘惑を数十分間振り切りようやくの入店。

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席を頂いた相席テーブルには既に先客の女性が一人。

ご無沙汰の挨拶ももどかしく、まずは何をおいても卵黄味噌漬け!鴨塩焼き!

ここは酒飲みと蕎麦喰いの空間が渾然一体となる素敵さがあるんよ。
近年チェーン店などお蕎麦を売りにする居酒屋さんが多なったんやけど、アレはやっぱり居酒屋空間や。その点この店は酒と蕎麦の自然な融合感が有る。お蕎麦屋さんやから当然やけどね。

     鴨塩焼きハーフ

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鴨さん鴨さん、なんでこんなに好きなんやろか。赤茶色く焦げた合鴨肉と白葱だけのお世辞にも華やかとは言えない見た目やけど、メニューにあると頼まずにはいられない。
柔らかい食感と噛み切る時のジューシーさはA5ランクの松阪牛にも勝るとも劣らぬ美味しさなんよ。

     そして卵黄味噌漬け

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濃いオレンジ色に漬けられた卵黄はまるで宝石のように神々しく輝き、単に味噌漬けと呼ぶにはあまりにも恐れ多い気がするんよね。
そんな黄身さんやけど、外観とは裏腹に柔らかい粘膜に包まれた中身は屈強な体力を持ち合わせ、お箸に絡みつく強靭な粘りは藪そばの練り味噌にも負けへん。

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甘い玉子焼きは苦手やけど、この深い味わいを伴った甘味はキリッと辛口の日本酒で頂きたい。ということで残しておいた銀杏塩煎りも合間に交え「あたごのまつ」(宮城)一合。

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話は前後するんやけど、相席の女性がとてもお蕎麦好きみたいで、私が酒肴空間を彷徨ってる間に、せいろ・粗挽き・太打ちの3種を完食、しかも殆ど汁無しで。
まるで私の尊敬する高遠彩子様のようなお方なんよ。
(高遠様は比類無き蕎麦好きでブログの他に蕎麦こい日記を出版。私も数年前購入して初めて知り、素敵にお蕎麦屋さんを紹介する文章の虜になる)

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さてここからお題の「出会いは突然に」なんやけど、なんとこの方高遠彩子様のお知り合いやったんです (゜◇゜)

7_おざわの奥様に「昨年女性自身で高遠様がお蕎麦屋さんを紹介する「ぶらり!至福蕎麦」に載ってましたね」という話をしていると相席の方も話に加わり、そして「実は私彩子さん知ってます」と衝撃の発言。
田舎の高遠ファンとその知り合いがおざわで偶然出会ったんよ。こんな事あるんやね。
それから暫し高遠談議やお蕎麦談議に花が咲き(詳細は省略)、その女性の方はお店を後にしました。

話を戻して仕上げのお蕎麦へ。

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9_upやっぱりここで外せないのが粗挽きです。
噛み締めると広がる特有の穀物感はお酒のアテにもなる。

グラスで追加した「真野鶴」(新潟)の残りと共に頂きました。

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そして最後に出されるいつも通りの蕎麦湯ポット。

11__3ここの盛り汁は濃いのに辛すぎず、旨味が有って嫌みが無い。
たまに汁だけ舐めると感じへんけど蕎麦湯で割ると後口の悪さが顔を出すのがあるんよ。でもおざわの汁にはそれが無くて、嫌な余韻が舌に残らんと旨さだけがスーッと消えて行きます。

お蕎麦は汁無しで食べたんやけど、〆の蕎麦湯で美味しく頂きました。

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今回おざわだけで東京に来た甲斐あったわ。
美味しいお蕎麦とまさかの出会いも頂き、浅草の夜は更けていきました。

おざわ

お店は→東京都台東区西浅草2-25-15
電話は→03-3841-6450(予約不可)
営業は→17:30~20:30(LO) 土日祝は11:30~14:30(LO)も
お休み→月曜
最寄り駅→TX浅草

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