吉野山で戸隠流蕎麦 奈良県吉野郡は吉野町「矢的庵」
奈良県吉野郡吉野町。
言わずと知れた桜の名所である。
今年もあと僅かでこの風景が桜色に染まるのだろう。
また吉野は古来から山岳信仰の聖地として修験の場所であり、大峰山から熊野へと続く道は大峰奥駆けと呼ばれ世界遺産となっている。
修験者の常備薬として今も残るのは「陀羅尼助」。
正露丸のような薬やけどこれが何倍も苦いのよ (;。;)
さて、吉野の手打ち蕎麦と言えば黒滝村の「侘助」と川上村の「山里」、天川村に「清九郎」が有り、数年前に残念ながら「山里」が閉店した。
暫くして東吉野に「よしの庵」が、そして下市に「芳熊庵熊蕎麦」が開店。
そんな頃、吉野の中千本あたりに「矢的庵」というお店があることを知ったのです。
蔵王堂を越えて歩き進むと左手に、谷崎潤一郎や吉川英治などの文人が逗留した「桜花壇」が見えてきます。その三叉路を右手に上り進むとお店が現れるんよ。
吉野造りの古民家をほぼそのままにしたお店は、靴脱ぎを上がったお座敷から更にその奥が客室です。
御主人は霧下蕎麦で知られる信州戸隠で5年程勉強し、この地に戻ってお店を出したそうです。
卓上の品書きはかなりシンプルな構成やけど、障子に貼られた天麩羅に並ぶ気になる「冬季限定 ざる牡丹」。
御主人に尋ねたら鴨汁蕎麦の猪肉版やそうで、とっても惹かれるものが有ったんやけど・・ざる蕎麦に天麩羅盛り合わせを付けてもらいました。
程なくして出されたお蕎麦はボッチ盛り。信州戸隠などの盛り方で、程良い量を一括りにして五つ分けで盛られてる。
これは信仰上の風習とか、投じ蕎麦の食べ方に便利など諸説あるようです。(新潟のへぎ蕎麦もこんな盛り方してます。
蕎麦は主に八ヶ岳産を使用しているとのことで、剥き身挽きぐるみの田舎系ですが、一口手繰り上げると意外にも田舎の風味が奥ゆかしい。
戸隠蕎麦は殆ど水切りせずボッチ盛りにするため水気が多く、みずみずしくて舌触り良いツルンとした喉越しやけど、ある意味水気で蕎麦の風味が立ちにくいんよ。
なので少しお蕎麦を解してやり少し水分が飛んだ所を頂くと、田舎の風味が恥ずかしそうに顔を出してきます。
天麩羅は5・6種類の野菜と茸で、仕上がりが比較的軽いためアッサリ加減で、しかも天汁別出しなので蕎麦つゆに油が浮かばないのが嬉しい!
蕎麦汁もそう辛く無く関西人にも受け入れられる物だと思います。
蕎麦湯で割ると旨味がにじみ出す。
不定休とあるのですが?と御主人にお伺いすると「大抵営業しています」との事。
桜シーズンの前にもう一度お伺いしようと思いながらお店を後にしました。
お店は→奈良県吉野郡吉野町吉野山3396
電話は→0746-32-8167
営業は→11:00~17:00 観桜期10:00~18:00
お休み→不定休(ほぼ営業してます)
最寄り駅→ケーブル吉野山駅からバス
駐車場→吉野観光駐車場(観桜期マイカー規制)
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