蕎麦掻きの約束・・三重県伊賀市は甲野「我流庵かかかび」
小さな橋を渡った倉庫前の駐車場には車は無く、どうやら一番乗りのようです。
駐車場から大きな鯉が泳ぐ泉水の前を通る頃、家の壁に我流庵の文字が見えます。
こちらのお店は中庭の右手奥にある縁側横の勝手口が入口。
入口横には本日のメニューが置かれています。
靴脱ぎから厨房を除き、ご主人にご無沙汰の挨拶をしていつもの席に収まりました。
お茶を出してくれた奥様に迷わず 「 鴨つけ蕎麦をお願いします!!」。
実は冷やかけにも心引かれたのですが・ ・ ・ ( ここの冷やかけ美味しいから )
読みかけの本に目を落とし始める事しばしの後、何と出てきたのは蕎麦掻き!!
どうやら前回の約束を覚えていてくれたようです。
ゴツゴツ感ある結構野性的な表情ですが、お箸を入れると程良い堅さで綺麗に切り分けることが出来ます。(お箸にネットリと纏わり付かないタイプ)
一口するとまず粗挽きらしさを伴う舌触り、次に噛み締めた時感じるプチプチ感が歯応えに楽しい変化をもたらし、そしてジュワッと穀物感が広がるのは長野県伊那産粗挽きで、
ご主人が製粉会社に注文を付けたこだわりの蕎麦粉で仕上げた蕎麦掻き。
思わずメニューに蕎麦掻きの文字を探したのですが、まだどこにも見つけることが出来ませんでした。
細切りに切られた青ネギと筒切りの白い部分が浮かぶ鴨汁には、柔らかい鴨肉が5枚程入り、甘辛さのしつこさを感じさせない仕上がり。
カチッと打たれた細切りの蕎麦は北海道新産の新蕎麦。
お蕎麦だけでも戴けるのですがあえて鴨汁にドップリと浸し、汁をたっぷり絡めながら鴨出汁の旨味と共に戴こう。
肉厚の鴨肉がまた柔らかいこと。
程良い甘みと辛味の効いた鴨汁は、それでいてしつこさが全くない。
ビールが飲みたい・・・心の底からそう思う。
お客さんも一段落したこのタイミングでご主人とお蕎麦談義に入ります。
蕎麦掻きの感想から蕎麦粉の話に移り、蕎麦掻きに使った伊那産の粗挽き粉と高知産の蕎麦粉を出してくれました。
ご主人曰く、高知産は個性的で、伊那産を6割混ぜるとバランスが取れた美味しさに仕上がるらしいのですが、一つまみすると粗挽きは特有の香ばしさを感じ、微粉に近い高知産は・・・エグ味か!
そう、高知産だけで打つとこのエグ味が前に出るようです。(私は食べてみたい!)
蓼科の植物である蕎麦には少なからずエグ味が存在するのだが、品種改良が進みバランスがとれた蕎麦が多い中、在来種的な蕎麦なのだろうか。
いろんな蕎麦粉を試してみたいというご主人。
まだまだ飽くなき挑戦が待っているのだろう、そう思いながらお店を辞しました。
我流庵かかかび
お店は→ 三重県伊賀市甲野1629
電話は→ 0595-51-4307
営業は→ 11:30~14:30
お休み→ 月・火・第四日曜
最寄り I C → 名阪国道中瀬 I C ( 約8km )
駐車場→ 有り
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