レンガ倉庫で現代アート 和歌山県海南市船尾は「田島漆店旧工場(黒江煉瓦堂)」
受付から奥を見るとまるで迷宮の入口に向かって立っているようだ。
エンジ色の煉瓦の壁に囲まれた部屋へ、まるで吸い込まれるように入っていく。
だだっ広い部屋につり下げられた作品には意表を突かれる。
振り向くと上棟札が貼られた壁の下には赤と黒のコントラストが印象的な「 風神雷神図 」が掛けられている。
歩みを進めると様々な作品が展示されている。
窓から差し込む日差しがいっそう幻想的な雰囲気を醸し出していた。
催眠術のように別の世界へ誘われているのかもしれない。
作品では無いのだが、窓から漏れ差し込む光に照らされた寒暖計が印象的だった。
機械的な物体が空中に三体浮かんで動いている。真ん中はプロペラを回しながらパタパタと羽ばたいていて、その両側には時計のような円形の物体。
作者さんがおられて話を伺うと、紐や棒に吊られた作品が徐々に下に移動する時の力を歯車でとらえ、これを作品の動力としているそうだ。
どちらも単純な動きを続けているのだが、これが見ていると飽きないから不思議だ。
下まで行くと再び上まで移動させるとのこと。
次の部屋にも作家さんがおられ、しかも作品を製作中。
既に仕上がった作品を見ると薄いガーゼをキャンバスに貼っているのか?、そう思ったのだが実はなんと織り目を1本1本描いているみたいなのだ。
本来画家の作家さんは、キャンバスを自ら作るために綿の栽培をしているそうだ。
まるで拘りが高じて蕎麦の栽培を始めたお蕎麦屋さんのようだ。
いよいよ受付の裏手が最後になり、そこには漆塗りの作品が展示されていました。
艶やかでとても奥深い美しさを漂わせる。
500円で回る漆工場跡のアート展、金額以上の満足感を与えてくれました。
時間が許せばもっとゆっくり作品を感じたかったのですが、後ろ髪を引かれる思いで会場を後にしました。
WAKAYAMA SALONE 2015
場所:海南市船尾166 田島漆店旧工場(黒江煉瓦堂)
期間:10月12日まで
時間:10:00~17:00(木曜休)
出展:AWAYA・清水いつ子・白井誠人・NAKATA KOHEI
永沼理善・橋爪玲子・広瀬梓子氏・富士原史香
和歌山市10箇所、海南市・高野口町・高野山各一箇所で10月12日(11日もある)まで開催されています。
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